ノロウィルスは年中起こり得る感染症です
毎年、冬の時期になると決まってニュースで流れるのが「ノロウィルス」の話題です。
日本でノロウィルスに感染した人数は、平成29年で約8,500人、過去5年間の平均では1万人以上が感染しています。(厚生労働省調べ)
近年では、冬場だけでなく夏の時期でもノロウィルスに感染する人が出てきています。
割合としては、11月から2月までの冬場の時期が最も多く、全体の7割を占めますが、残りの3割は春から秋にかけて発生していることになります。
このように、今やノロウィルスは「冬場の感染症」ではなく、時期にかかわらず「年中起こりうる感染症」とされており、夏場だからといって油断は禁物です。
ノロウィルスは“感染力”の高い病気です
ノロウィルスは、かつて日本では「お腹の風邪」と呼ばれ、現在のようにあまり話題になっていませんでしたが、近年ではヒトからヒトへ集団感染したり、食中毒のように拡がったりと極めて感染力の高い病気として注目を集めています。
象徴的な事例としては、平成24年12月23日、山梨県で弁当製造業者の仕出し弁当を食べた1,184人が下痢や嘔吐などの症状を訴え、その原因がノロウィルスによる集団食中毒と確定される事件も発生しました。
また、ノロウィルスに感染すると、特に体力の弱いお年寄りや子供に感染しやすく、重症化した場合は最悪「命を落とす」こともある怖ろしい感染症なのです。
2012年12月には、宮崎県で入院中のお年寄り6人が、ノロウィルスの集団感染により命を落とすという大変いたましい事件も発生しています。
また、近年の「新型」と呼ばれる遺伝子変異したノロウィルスの場合は、従来の免疫が効きにくいともいわれていますので、これからは感染予防や治療などについてきちんと情報収集し、対策を立てておく必要があります。
ノロウィルスに対応するワクチンはありません
ウィルス系の感染予防策といえば、通常、インフルエンザなどのウィルスのように抗ウィルス剤、いわゆる「ワクチン」が効果的ですが、実はノロウィルスのワクチンは今のところありません。
その理由としては、ノロウィルスの培養(増殖)方法がまだ見つかっていないためといわれています。
ただし、最近になってワクチンの研究や開発に向けた動きが加速していますので、なるべく早くノロウィルスのワクチンが開発されることを期待するばかりです。
現時点の対策として重要なことは、ノロウィルスに感染しないようにしっかりと予防することが一番です。
そして万一ノロウィルスに感染してしまった場合は、なるべく症状を抑えるための対応と、周囲の人に二次感染したり感染が拡大しないための対策をしっかりと行うことです。
当サイトでは、ノロウィルスの原因や症状、潜伏期間や感染経路などの基礎知識はもとより、ノロウィルスにかからないための予防対策、万一ノロウィルスにかかったときの対処などについて詳しく丁寧に解説していきます。