魚介類は極力加熱調理を!
魚介類は生が一番美味しいと誰もがそう思います。
しかしながら、ノロウィルスの感染予防の見地から考えると、魚介類(特にカキなどの二枚貝)に関しては、極力加熱処理して食することが望ましいといえるでしょう。
それでは、いったいどのくらいの温度で加熱調理を施せばよいのでしょうか。
一般的には、「調理器具類の消毒」のところでも触れた「85℃で1分間以上」が目安となります。ただし、食品の場合、「食品の中心温度)芯温)が85℃以上」になるよう気を付けなければなりません。
この「芯温」というのが少々厄介で、とがった温度計みたいなもの(中心温度計といいます)を食品の中心部に刺して図る必要がありますが、なかなか温度測定が大変ですよね。
そこで、それに代わる目安として「調理の途中で食品の中心温度を3点以上測定し、すべてが 85℃以上に達していれば、さらに1分間以上加熱を続ける(煮物は1点以上を測定)」というのが厚生労働省のガイドラインに示されています。
意外と大変な目安ではありますが、一応目安として覚えておくとよいでしょう。
に入院させたほうが安心です。
「生食用」でも安心とはいえない
ノロウィルスの感染源として、特に話題となっているのが「牡蠣(カキ)」ですが、よくスーパーで買い物をする際、「生食用」と「加熱調理用」というシールが貼られているのを見かけます。
この「生食用」と「加熱調理用」の違いとは、いったいどんなところでしょうか?
生食用のカキは大丈夫?牡蠣は日本を含め多くの地域で昔から「生」で食べる習慣がありますが、ノロウィルスやその他のウィルス、細菌などが牡蠣を媒体として人に感染することから、食品衛生法では、「生食用に出荷しても安全な海域」でとれた牡蠣には「生食用」と表示され、それ以外の海域のものは「加熱調理用」というふうに、とれた海域の違いによって区分されています。
よく、「生食用は鮮度がよく、加熱調理用は鮮度が劣る」と思われているようですが、それは誤解です。
ですから、「加熱料理用」でも、熱を加えさえすれば、美味しく、しかも安全にいただけます。
ただし、どうしても「生」で食するのなら、比較的安全な海域でとれた「生食用」で食するようにしてください。
でも、「生食用」といえども毎年それを食べて少なからずノロウィルスに感染する人がいるのも事実です。出来るだけ熱を加えることをおすすめします。