嘔吐物の処理はなぜ重要なのか?
最近になって、ノロウィルスの大流行に伴い、「汚物等の処理方法」に関する特集がTVなどで繰り返し放映されるようになりました。
その理由は、ノロウィルスの感染力の強さが再認識されたこともありますが、嘔吐物や排泄物などを介して周囲の人に感染する、いわゆる二次感染のメカニズムがより明確になってきたことが背景にあります。
とくに、汚物等が乾燥したのちに、ヒトの歩行や靴で踏みつけるなどによって空気中に微粉末状態で浮遊・拡散しそれが人に鼻や口から入り込むと、わずかな量でも感染します。
また、靴や靴下で踏みつけられた汚物等が足裏に付着し、まったく違う場所に運ばれて、そこでノロウィルス感染が拡がる可能性もあり得るからです。
ですから、汚物等をいかに適切に処理するかが、二次感染防止のキーポイントとなりますので、十分理解し対策を講じる必要があります。
吐物から経口感染?ホテルで大量感染者!
かなり以前になりますが、東京の大規模ホテルの利用者347名がほぼ同時期に下痢や腹痛を訴えるという集団感染事件が発生し、その後の調べでこの原因がノロウィルスの空気感染であることが判明しました。
当時の記録によると、同ホテルの女性利用客が3〜4日前にホテル内で嘔吐をしており、その女性がノロウィルス感染者であったことが判明。
嘔吐した場所というのは、3階ロビーと25階の通路の2箇所で、いずれもじゅうたん敷きであり、その後ホテルの従業員により中性洗剤で清掃されたといいます。
しかし、保健所の調べで、じゅうたんに残った微量のノロウィルスがホテル利用客らが歩くたびに空中に浮遊し、それを吸った多くの利用客が経口感染した疑いが高いと判断しました。
また、厚生労働省の対策マニュアルによると、12日以上前にノロウィルスに汚染されたカーペットを通じて、感染が起きた事例もあるとのことです
ですから、感染拡大を防止するためには、ノロウィルス感染者の嘔吐物等の処理は出来るだけ早く、しかも確実におこなわければなりません。
ノロウィルス感染者の汚物処理は重要関連ページ
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- 消毒液の作り方
- ノロウィルスの消毒に使用する消毒液は、その用途によって主に2種類の溶液があります。