ノロウィルスの感染経路とは?

ノロウィルスはいったいどういう経路をたどって感染するのでしょうか?

 

実はノロウィルスの場合、経口感染( 口から体内に入ること)がほとんどで、一般的には次の5通りの感染パターンが考えられています。

 

 

感染者のふん便や嘔吐物から人の手などを介して二次感染する場合

 

家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ飛沫感染する場合

 

食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者など)が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べる場合

 

汚染されていた二枚貝を、で、あるいは十分に加熱調理しないで食べる場合

 

ノロウィルスに汚染された井戸水簡易水道水消毒不十分な状態で摂取する場合

 

特に、最近の食中毒では、食品取扱者を介してウィルスに汚染された食品を食べたことが原因の事例が増加傾向にあります。

 

ノロウィルスの感染経路とは?

 

また、ノロウィルスは食品や水を介したウィルス性食中毒の原因になるばかりでなく、ウィルス性急性胃腸炎(感染症)の原因にもなります。

 

 

このように多くの感染経路が存在することも、ノロウィルスの感染防止の困難性を高めている要因の一つといえます。

魚介類の汚染源は下水道処理水?

あまり知られていないことですが、実は“ノロウィルスの感染源であるカキなど魚介類の汚染原因は、下水道の処理水にに由来している可能性が高い”といわれています。

 

分かりやすくいうと、ノロウィルスを含む「水中病原ウィルス」は、これらウィルスに感染した患者の糞便に多量に存在し、排便後は下水道を通じて下水処理施設に流れ込みここで処理されますが、現在の下水処理システムでは水中のウィルスの無力化を目的とした処理がされていないことから、下水処理施設で処理しきれなかったウィルスが海や上水道の取水施設に流入し、カキなどの魚介類が汚染されたり水道水自体が汚染され、結果的に二次感染が拡がるという悪循環が生まれているのです。

 

下水を通じてノロウィルスが拡大

 

なお、上水道用水の浄化方法として多く用いられている「急速濾過」「塩素消毒」を組み合わせた方法では、大腸菌やウエルシュ菌などの病原性細菌の除去はできますが、ノロウィルスなどの塩素耐性の強いウィルスは除去しきれないのが実情です。

 

今後、ますます高まるであろう水中病原ウィルス感染をいかに防ぎょするかについては、下水処理システムの強化を含めとても深刻な問題ですので早急な対策が望まれます。