嘔吐物等の処理の重要性!
最近になって、ノロウィルスの大流行に伴い、「汚物等の処理方法」に関する特集がTVなどで繰り返し放映されるようになりました。
その理由は、ノロウィルスの感染力の強さが再認識されたこともありますが、嘔吐物や排泄物などを介して周囲の人に感染する、いわゆる二次感染のメカニズムがより明確になってきたことが背景にあります。
とくに、汚物等が乾燥したのちに、ヒトの歩行や靴で踏みつけるなどによって空気中に微粉末状態で浮遊・拡散しそれが人に鼻や口から入り込むと、わずかな量でも感染します。
また、靴や靴下で踏みつけられた汚物等が足裏に付着し、まったく違う場所に運ばれて、そこでノロウィルスの感染が拡がる可能性もあり得るからです。
ですから、“汚物等をいかに適切に処理するか”が、二次感染防止のキーポイントとなりますので、十分理解し対策を講じる必要があります。
手順に従ってしっかりと!
それでは、嘔吐物等の処理法の具体的な手順について説明しましょう。
汚染処理に必要な資材等の準備
まずは、嘔吐物等の処理に必要となる資材をあらかじめ準備しておく必要があります。以下に主な必要資材をまとめておきます。
・自己の感染防止の資材(次項目を参照)
〜ビニール手袋、マスク、ゴーグル、エプロン
・嘔吐物等の収集・除去
〜使い捨て布又はペーパータオル等、ビニール袋
・嘔吐物等の消毒
〜次亜塩素酸ナトリウム200ppm溶液、スプレー容器
自己の感染防止処置
自分自身がノロウィルスに感染するのを防ぐための防備をしっかりとします。
基本的には使い捨てのビニール手袋、マスク、エプロン、足袋など。これらは使い捨てのものでなければなりません。(そのまま廃棄するため)
念のためにゴーグルも準備出来れば着用しましょう。
なお、汚物処理に必要な資材がひとつにまとめられた「汚物処理セット(キット)」というものも市販されていますので、普段から準備しておくことをおすすめします。
嘔吐物等の収集・除去
嘔吐物等の収集方法としては、あらかじめペーパータオル数枚に次亜塩素酸ナトリウム1,000ppm溶液を散布しておき、それを嘔吐物等の上に覆うように被せ、そのうえからさらに次亜塩素酸ナトリウム200ppm溶液を散布し10分程度放置しておきます。
その後、新しいペーパータオルで嘔吐物等(ペーパータオルで覆った状態のまま)を外側から内側に集めるようにして拭き取り、ペーパータオル等は直ちにビニール袋に入れてしっかりと密封します。
周囲の消毒
嘔吐物の除去がある程度終わったら、次亜塩素酸ナトリウム溶液を浸したペーパータオル等でさらに嘔吐物等が吐しゃされた部分及び周囲を拭き取っていきます。
なお、嘔吐物等のあった部分から半径2メートル前後はノロウィルスが潜在している可能性がありますので、それらの広い範囲に次亜塩素酸ナトリウムをスプレー容器に入れてに床(フローリングやカーペット)部分に散布すると効果的です。
ただし、次亜塩素酸ナトリウム溶液を散布した場所は、後になって変色する場合がありますので、必要に応じて10分以上後に水拭きをしてください。
使用資材の廃棄
嘔吐物の除去及び消毒が終了したら、処理に使用したビニール手袋やマスク、エプロンは別のビニール袋に入れ、同様に次亜塩素酸ナトリウム1,000ppm溶液を散布し充分浸したのちに密封します。なお、これらの廃棄物はビニール袋を重ね厳重に密封した後にゴミとして処分します。
最後に手洗い
全ての作業を終えたのちは、必ず「手洗い」をしっかりとしてください。
手洗いの方法は「基本は手洗い」のページを参照してください。
以上ですが、嘔吐物等の処理方法は様々な方法がありますので、これが唯一ではありませんが、基本的には「自分を感染させない」ことと、「嘔吐物をしっかり除去ししっかり消毒する」ことが重要ですので、そこを理解してください。